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ご利用者様より金銭授受(苦情事故)
2016年7月@のひやりはっと事故事例報告です。
今回の事例は、金銭授受についての苦情です。
[状況要旨]
ご逝去されたご利用者様ご家族より、事業所へ連絡が入った。
【内容】
「遺品整理をしていたら母の手帳に、やさし手訪問介護員へお金を渡したことが記載されていた。日付と渡した金額・訪問介護員名も記入されていた。長年1人の訪問介護員がケアに入っており、母も家族もその訪問介護員を信頼していたが、金銭を受け取っていたとはどういうことか」とご立腹。早急に確認し、受け取っていたら返して欲しいと訴えあり。
該当訪問介護員へ確認したところ、事実であったと判明。理由は、ご利用者様に金銭を渡された時に断ったが、感謝の気持ちだからと執拗に渡され、結果ご厚意に甘えもらってしまった。
直ぐに該当訪問介護員から頂戴したお金を全額回収し、ご家族へご返金し深くお詫びした。
ご家族様より「今回のことはうちの母も悪かったが、プロの訪問介護員と信頼していただけに、非常に残念で失望した。やさしい手として訪問介護員の教育を徹底すべき」と苦言を頂く。
<原因分析>
・ご利用者様から金銭を渡された時にきちんと断らなかった。
・金銭を渡す行動があることを事業所スタッフへ報告・連絡・相談していなかった為、ご家族が把握していなかった。
・ご利用者様と信頼関係が構築されていたが、ある面では馴れ合って甘えが出てしまった。
・事業所スタッフに相談しやすい環境が整っていなく、事業所スタッフも、長期間に渡り1人のヘルパーを派遣することで、ご利用者様と訪問介護員が馴れ合っていないか確認を怠った。
[今後の是正について]
・物やお金を渡されたら、曖昧ではなくきちんとお断りする。
・物やお金を渡す行動がみられたら、事業所へ報告・連絡・相談する。
・認知症のご利用者様などで、断りきれない状況の場合は、事業所へ報告・連絡・相談し、対応方法を決める。
〈分析結果〉
ご利用者様の中には、感謝の気持ちを物品や金銭でお返しする方、また良いサービスを受けたい・特別扱いをして欲しい等の理由からお金を渡す事例もあります。安易に受け取ってしまうと、後で「○○さんが盗んだ」等の問題に発展することもあります。記録を残すことで、大きな問題に発展しないよう、常にご利用者様の状況だけでなく行動についても、もばイルカでご報告を継続して下さい。
退職後も同様の問題が発覚した場合、会社として状況確認をし、事実であれば全額回収・ご返金をしております。介護のプロとして、常日頃から倫理的な行動をとるよう心がけましょう。