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 通院介助中の人身事故

  • [状況要旨]
    Aヘルパーより、事業所に報告が入る。
    【内容】
    T様の通院介助のサービスに入る。通院の準備をし自宅出発、近所でタクシーをひろって乗車。病院へつき、タクシー運転手後席よりヘルパーが降り、ご利用者側に回り、降車介助をする。T様はタクシーを降りたところで立っていらっしゃる状態で、ヘルパーはT様の左側に立ち、腰を支えていた。
    タクシー運転手より「ドアを閉めてよいですか?」と聞かれ、ヘルパーはT様の手がタクシーから離れていることを確認し、「閉めて大丈夫です」と答えた。
    ドアが閉まる時、T様がふらつきタクシーに手をつくと同時にドアが閉まり、T様の指がドアに挟まってしまった。
    直ぐにドアを開けてもらい、T様の指を確認すると、右手薬指が腫れ出血をしていた。
    病院の目の前であったので、直ぐに受診してもらった。

    [結果]
    受診結果、骨には異常はなかった。止血・消毒をしてもらい、経過観察となった。

    <原因分析>
    ・タクシーの車体から離れ安全な位置へ移動していなかった。
    ・降車した後、T様の体調確認を怠った(ふらつきがないか気持ちが悪くない等)。
    ・T様の立位の状態が安全か確認していなかった。
    ・T様へドアが閉まることをきちんとお伝えしていなかった。

    [今後の是正について]
    〈分析結果〉
    ・タクシーの乗降の際は、立ったり座ったりの動作により、めまいがしたりふらつくことがあります。必ず、乗降した直後、体調が悪くないか、ふらつきはないか、立っていられるか、移動できるか等を声かけし確認する。
    ・車体から手が離れていることだけ確認するのではなく、立位の状態・足の位置(足底がしっかり地面についているか、体重が足底の中心にあるか)を確認する。
    ・タクシーのドアを閉めてもらう時は、車体から十分に離れ、ご利用者にとって安全な位置に移動してから、ドアを閉めてもらう。
    通院でタクシーを利用する場合、様々な動作をします。高齢者は小さな動きで体調を崩すことがあります。常日頃の体調確認はもちろんですが、どのような動作をするとふらつくのか、めまいがするのか等、普段の動作前後のご様子を観察しておきましょう。変わった様子や気づいた時点でご利用者や事業所に報告しておくことで、大きな事故・苦情を防ぐことができます。訪問介護員の皆さま自身や事業所への責任を問われないために、日ごろから密に報告・連絡・相談を行っていきましょう。